病は気から

心身一如(こころとからだは切り離すことはできない)など

昔からいわれてきたことが科学的に証明されつつあります。

鍼灸治療は様々な脳内物質の分泌を調整することで

フィジカルだけでなくメンタルの不調も改善に導きます。

そのメカニズムの一部を紹介します。

 

①鍼灸激は脳の扁桃体、海馬の活動を低下させる

・扁桃体・・・恐怖、不安を処理する

・海馬・・・恐怖や不安に関する記憶をコントロールする

鍼灸刺激は恐怖、不安などネガティブな感情を和らげる

 

②鍼灸治療はドーパミンの分泌を促す

・ドーパミン・・・脳の中でやる気を生み出したりや幸福感を感じるのに

 関係しているため快楽物質とも呼ばれる脳内ホルモン。

 下行性疼痛調整系に作用して鎮痛作用をもたらす。

 発達障害(ADHD)の特性がある人は

 ドーパミンが不足している傾向がある一方で

 状況によって過剰分泌され過集中に陥りやすい。

 発達障害(ASD)の特性がある人は

 特定のドーパミン受容体が減少している。

ストレスなどで幸福感や意欲が低下している場合

鍼灸刺激が改善に導く。

また、痛みを緩和することで

痛みによる精神的ストレスがもたらす様々な症状を改善する。

さらに発達障害の改善をサポートする。

 

③鍼灸治療は過剰なドーパミンの分泌を抑制する

過剰なドーパミンの分泌は、

酒、たばこ、砂糖など様々な依存症の原因となる。

鍼灸刺激はドーパミンが過剰に分泌されている場合

抑制する作用もあわせもつ。

依存症の改善に活用できる

 

④鍼灸治療はセロトニンの分泌を促す

・セロトニン・・・気分、情緒、痛みをコントロールし精神を安定させる。

 生体リズム、睡眠、食欲、体温調整、認知などを調整する役割も担う。

・発達障害(ADHD/ASD/LD/SLD)の特性がある人は

セロトニンの分泌がセロトニンの分泌量が少ない

→鍼灸刺激により睡眠、食欲、体温調整が正常化されたり

不安感や痛みが緩和され うつ症状の改善につながる

また、発達障害(ADHD/ASD/LD/SLD)の改善をサポートする

 

 

⑤鍼灸治療はオキシトシンの分泌を促す

・オキシトシン・・・不安感など精神的ストレスを緩和し

 集中力、多幸感、共感力、信頼感などを高めるため

 「幸せホルモン」「愛情ホルモン」などと形容される。

 痛みを和らげたり過剰な食欲を抑える作用もある。

 発達障害(ASD)の特性がある人はオキシトシンの分泌量が少ない。

痛みのストレスによる精神的ストレスをやわらげる

過剰な食欲を抑え 過食による様々な疾患を予防したり改善する

ASDの社会性行動障害やコミュニケーション障害の改善につながる

 

⑥鍼灸治療は副腎皮質ホルモンの過剰分泌をおさえる

物理的刺激や心理的ストレスの情報は視床下部におくられ

ストレスに対抗するための副腎皮質ホルモン(コルチゾール・アルドステロン)が

分泌される。

副腎皮質ホルモンは

血圧・血糖値を下げて細胞にエネルギーを送ることで

脳や筋肉などの活動を活発にしたり胃酸の分泌を促す。

一方で過剰になると糖尿病、肥満、うつ病、免疫異常などの

リスクが高まる。

鍼灸刺激は 過剰な副腎皮質ホルモンの分泌を抑える

糖尿病、肥満、うつ病、免疫異常の改善につながる

 

最近 臨床において特に感じているのは

うつ病、うつ状態、発達障害などで投薬治療を受けていらっしゃる方

診断治療は受けていないけれど症状を自覚している方が

とても多いということです。

そして、メンタルの不調が 身体の痛みや不具合をひきおこす一因となっている方が

大半だということです。

一方で身体の痛みや不具合が精神的ストレスとなり

それ自体が脳内物質の分泌以上につながり悪循環に陥っているケースも

見受けられます。

様々な要因、背景があり、安易なことは言えませんが

鍼灸治療は改善のサポートになる可能性が大いにあります。

もちろんアロマセラピー、オイルマッサージ、ネオヒーラ―なども同様です。

投薬治療、カウンセリング以外の有効な手段として

治療の選択肢の一つとして認知度が高まることを祈っています。