鍼灸治療の良さはいくらでもあげられるのですが
デメリットもお伝えする必要があると思い
前回は 治療後のお身体の反応について書きました。
今回は内出血(青あざ)について 項目別に説明します。
☆内出血の原因
内出血は血行が悪い部位の弾力性のない血管を傷つけてしまったことによって
起こります。
毛細血管は全身に無数にはりめぐらされており
鍼を刺す際に完全に避けることは不可能です。
ただし
品質のよい鍼(当院で使用するのは先端研磨加工の技術が高く評価されているセイリン社の製品で
鍼先は丸く加工されています。)を使い
体格と部位に合わせたサイズの太さと深さで
(当院でメインで使用している鍼は 直径0.16~0.18mm
顔面部に至っては 直径0.14mmと大変細いものです。
深さも必要最低限で効果が出せるように工夫しています)
適切な手技で丁寧にゆっくりと刺していけば
通常は鍼が血管にあたっても血管壁の弾力により血管のほうから鍼を避けてくれます。
一方 弾力のない血管は侵入してきた鍼をよけることができず
傷ついてしまうことがあります。
さらにその部位の血行が悪い場合 周辺の組織も硬くなっており
ただでさえ柔軟性の失われた血管が鍼をよけるためのスペースも確保できないため
内出血のリスクは高くなります。
☆内出血ができやすい人とは
・糖尿病、高血圧、高脂血症などの持病がある方
・喫煙している方
・ワーファリン(抗凝固薬)を服用している方
・遺伝的、体質的にあざができやすい方
(もともと皮膚が薄い、出血しやすい方)
・胃腸が弱い方・栄養不足の方
(ダイエットや食事法でたんぱく質不足の方や
栄養が吸収しづらい方)
・高齢者
☆内出血の経過と対処法
内出血は基本的に一時的なもので
時間の経過とともに
緑や黄色に色が変化しながら薄くなり痕になることなく消えていきます。
期間としては早い方は数日、通常は一週間から数週間です。
動脈から出血した場合 すぐに腫れてくるため
治療院で対処できます。
(必要に応じて氷や冷却ジェルをタオルで包んで10分ほど冷やします。)
静脈からの出血だと少しずつ出血して数時間後から腫れたり肌の色が変化します。
その場合は24時間以内であれば適宜冷やしていただくようお願いしています。
翌日からはホットタオルなどで温めて血行を良くすると回復を早めることができます。
☆内出血のポジティブな一面
東洋医学的には 内出血をおこしやすいのは
お血体質といって 血液が滞りやすいタイプとされます。
そして内出血は解毒(デトックス)の一種で
お血体質の改善に一役かうと考えられています。
実際とくに顔面部において内出血をおこしたところが治ると
逆に以前よりもその部位のコンディションがよくなっているというのは
よくあるケースです。
また鍼灸治療を継続していくと
体質が改善され内出血は起こりにくく起きても治りやすくなっていきます。
☆美容鍼と内出血
鍼灸を受ける方が内出血を一番起こしてほしくないのは顔面だと思います。
ところが一番内出血を起こしやすいのは顔面部です。
如水鍼灸院では美容目的でいらした方にも顔面部への刺鍼は
高品質の鍼メーカーの ごく細い鍼を できるだけ少ない本数で 浅く刺す
というのを原則にしています。
一般的に太い鍼で多数の鍼を使うほうが美容効果は高いといわれており
顔に刺した鍼に通電をする流派もあるほど。
ですが必ずしも顔面部に直接そこまでの刺激をいれなくとも
同程度かそれ以上の効果が出せるように工夫を重ねています。
また 特に初めての方は ご自身が内出血をおこしやすいか
どれくらいの期間で目立たなくなるか判断しづらいため
(皮膚の薄さや硬さである程度こちらで予想はつくので
お伝えすることは可能です)
写真撮影や大事なイベントの直前は避けることをおすすめしています。
結論として
①鍼灸治療による内出血は完全に防ぐことは不可能ですが
必ず治ること
②東洋医学の観点からいえば
体質改善の側面もあること
以上ご理解いただけたら嬉しいです。
お読みくださりありがとうございます。