がん治療に関してのブログ、

① ② の 続きです。

 

まず

標準治療をうけずに

がんのケアをしていきたいという場合について。

標準治療とはいわゆる三大療法のことで

外科療法(手術)・化学療法(抗がん剤など)・放射線治療を指します。

標準治療は 一般的に 科学的根拠に基づく最善の治療と説明されています。

一方で 標準治療を否定する意見があるのも事実です。

(そのなかでも

 標準治療の全てではなく その一部を否定している意見

 がんの種類や進行度 当人の体力や年齢などにより一部を否定する意見など

 様々です。)

そして 標準治療を受けずに

がんが治癒したり 寛解した方の体験談が

メディアでとりあげられたり 人づてに伝わることも少なくありません。

 

当院では鍼灸治療だけでなく 

びわの葉温灸などの自然療法をとりいれていることもあり

がんの診断をうけても標準治療をしていない方や

標準治療の一部(抗がん剤治療など)を拒否された方も通院されています。

標準治療よりも自分に適していると判断した治療を選択されたケース

(最先端医療であったり各種民間療法など)

そもそも標準治療が適応しないと診断されたケース

標準治療の中でも一部だけ取り入れていらっしゃるケースなど

状況も事情もそれぞれのお考えも様々です。

その中で 確実に言えることは

何事においても絶対はない ということ。

絶対 大丈夫とも 絶対 難しい とも言えない、

99%の確率でも 反対の1%に入れば 当人にとってはそれが全てです。

 

何を目指すか というのも 大事な視点です。

理想は当然 完治(一般的な医学用語では術後5年間再発がない状態)ですが

一時的にがんが縮小または消失しているなどの理由で

発症していない状態が続く「寛解」という状態も

多くの場合「がんが治った」と表現されます。

「完治」「寛解」に至らずとも 

がん あるいはがん治療にもとづく症状がなかったり 軽くなり

日常生活を快適におくることができればよいという考え方もあります。

そこにも正解不正解はありません。

 

それを大前提として 

私個人は いらしてくださった方の選択を否定することはしません。

ご自身のがんに対して また がん治療に対しての

お考え 主義 主張も 基本的に尊重したいと思っています。

 

以前は 個人的見解としては

基本的に外科療法に関しては肯定的

抗がん剤治療には否定的立場をとっていました。

(もちろんがんの種類や進行度により異なりますが

あくまで基本的立場としての話です)

また

治癒のプロセスにおいて

いわゆるスピリチュアル的な話は避けて通れないと

感じていました。

奇跡的といわれるような がんの治癒のケースを

見聞きしたり 

(ステージ4からの生還 がんが消えた などの表現が

されることが多く そのような方は がんサバイバーと呼ばれたり

名乗ったりされています)

がんの代替医療に取り組むドクターや治療家の先生のもとで

勉強させていただく中で

「がんは生き方の間違いを教えてくれるメッセンジャーである。

自分の魂が望む本来の生き方を取り戻せばがんは治る」

「がんの原因はおそれ、怒り、悲しみなどのネガティブな感情であり

それらを手放せばがんは治る」

「がんに感謝すればがんは治る」

など いわゆる スピリチュアル系の話は必ずと言っていいほど

でてきたからです。

そして私は 完全に受け入れられない部分はあるものの

大方のところで その思想に納得はしていました。

ところが 臨床の中で つたない経験ではありますが

必ずしもそうとはいえない 例外もあるのだ

むしろ いうなれば すべてのケースが例外で

そこまでは共通項はあったとしても

その先はどうなるかはわからない

結果が全てで やってみなければわからない

繰り返しになりますが

やってみてもわからないことだらけ

ということだけが真実であると

現段階では思っています。

 

それは

どのような治療でもどのような思想でも

良好な経過をたどる場合とそうでない場合があり

ある程度の予測はついても 

その通りにはいかないことも多々あることを

実際に目の当たりにしてきたからです。

標準治療を一通り受けた方でも

一部のみ受けた方も

一切受けなかった方も

初期でも ステージが進行していても

比較的治りやすいといわれる種類のがんでも 難治性のがんでも

スピリチュアル的観点からのアプローチにとりくんでいても

スピリチュアル系は一切うけつけない という立場でも

よくなる人はよくなるし 逆もしかりで 

繰り返しになりますが 結局 わからない。

さらに

常識的に考えれば

どのような治療を選択するにしても

定期的に検査はして現状を正確に把握することは必須ですが

それすらせず それでも

特に症状はなく生活に支障はないのだから問題ないという方も

いらっしゃいます。

ご本人の決断で 覚悟をもってなさっていることで

実際何年もその状況が続いているのが現実です。

 

そうしたことをふまえたうえで

いずれにしても

どのような状況でも どのような治療と組み合わせるにしても

鍼灸治療や自然療法は

基本的に身体をよくする方向にしか作用しないと私は思います。

鍼をうつことで血流がよくなり

老廃物の排泄が促されること、

リラックスして自律神経のバランスが整ったり

体温があがり細胞が活性化すること

痛みや不快な症状が軽減することは

程度の差こそあれ 確実に得られる効果だからです。

ただ 希望を持つことと過度な期待を抱くことは別物で

楽観的にも悲観的にもなりすぎずにバランスをとることは

簡単ではないけれどとても大切なことだと感じています。

スピリチュアル云々を持ち出さずとも

がんに限らずとも

病は気から というのは多くの人が実感していること

恐れや怒りよりは 感謝や喜びを抱いたほうがいい

絶望より少しでも希望をもつほうがいい

変えられない過去を悔やむより前向きに今できることにとりくんだほうがいい

それらは正論ですが

そうあらねばと逆に追い込まれる方も少なくなく

感情のコントロールはたやすいことではないのもまた事実。

一方で

不快な症状が軽減されたり物理的に身体が楽になると

精神的にもよい方向にひっぱられていく側面もあるので

あえてスピリチュアル系や精神論にフォーカスしなくてもいい気もします。

(これも個人差で

スピリチュアル系の思想や精神論に共鳴する方は

もちろんそのままで何も問題はないです。)

 

 

まとまりがない文章ですが

がん治療に鍼灸治療や自然療法を取り入れることが

もっと一般的になってほしい

そのメリットや意義が伝わってほしいと願っています。

そしてご縁がある方にこの想いが届くことを祈っています。